設立1周年記念講演会報告
「韓国併合」100年市民ネットワークは2009年10月10日の第2回総会を記念して講演会を開きました。講演会の趣旨は、「韓国併合」そのものを正面から学術的に取り上げて、日本の市民が基本的な知識を基に植民地支配の罪責について考える機会とすることでした。
最初に李泰鎭・ソウル大学名誉教授から「韓国併合条約強制の実相」と題するご講演をいただきました。李泰鎭さんは冒頭で、明治日本によって作り上げられた「停滞した朝鮮」という歴史観と、日本が朝鮮に「恩恵を施した」という意識の根深さを指摘され、それが日本が植民地支配を正当化するために作り出した歴史の歪曲であることを強調されました。これを払拭しない限り、未解決の歴史認識問題や名誉回復、補償などの諸問題を解決し、真に和解することは不可能であり、自分は歴史をまっすぐ正しく知ることに寄与するための仕事をしていると述べられました。そして、①近代韓国の自立的な近代化の様相を具体的に示され、②日本が大韓帝国の国権を奪取する根拠とされた諸条約が、武力強圧を背景とし、形式面でも韓国側の批准もなく、「韓国併合」は法的に無効であるとされました。
続く中塚明・奈良女子大学名誉教授の「『韓国併合』-日本とアメリカ-100年前と今と」と題する講演では、冒頭でカリブ海の支配権を有するアメリカが、自らの支配権と同様のものを想定して日本による朝鮮半島に対する支配権を容認していたことを学術的に確認され、伊藤博文の意見書にそくして伊藤自身が日本の植民地支配がアメリカなどの列強が容認する範囲を超えていくことに不安感を持っていたことを示されました。
2つの報告に対して戸塚悦郎共同代表(龍谷大学法科大学院教授)が応答され、質疑応答・意見交換がなされました。参加者は約100人とやや少なめでしたが、会員以外の市民の方の姿が目立ち、基本的な歴史認識を共有し広めるための機会として有意義な集いとなりました。(勝村誠)
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